
Editor’s Note
XピックアップOpenAIのPatch the Planet、PHPの重大欠陥発見を支援 修正版は8.2.35以降
OpenAIは日本時間10月21日夜、取り組み「Patch the Planet」の一環で、AIモデルが研究者によるPHPの重大な脆弱性発見を支援したと報告した。公開されたのは2件で、修正版も同日に出ている。PHPアプリの書き方ではなく、リクエストをさばくエンジン側の欠陥なので、運用者はフレームワークの更新状況だけではなくPHP本体の版を確認したい。
誰が、どのモデルで見つけたのか
OpenAIの説明では、CalifがGPT-5.6 Solを使い、重大な欠陥1件を特定した。一方、Wiz Researchの報告では、Wiz Atlas、Gemini 4 Argon、GPT-5.6 Solを使って2件を独立に調査したとしている。つまり「OpenAIのモデルが2件とも単独で発見した」とまとめるのは正確ではない。Califが見つけた1件が、後述するどちらのCVEなのかも、今回確認した資料からは特定できない。
OpenAIは、攻撃者より先にフロンティアAIが欠陥を見つけ、防御側が準備する時間を得た事例だと位置づける。ただし、これは同社が「把握する限り」とした見方だ。公開後を含めた実悪用の有無まで確定した話ではない。
アプリではなくPHPエンジンの問題
2件は、メモリ不足時の処理から破損につながるCVE-2026-109618と、リクエストをまたいで古いグローバル状態が残るCVE-2026-109619。安全に見えるアプリコードでも、その手前にあるエンジン層で影響を受け得るのが厄介だ。
PHP公式の案内は、Webリクエストを処理するPHP-FPM、mod_php、php-cgi、FrankenPHP、LiteSpeedを対象に挙げる。とくにmod_phpでは、実証された攻撃がアプリコードの実行前に成立するため高リスクとされている。
更新が本命、設定変更は時間稼ぎ
10月22日の確認時点で、修正版はPHP 8.2.35、8.3.36、8.4.27、8.5.12。利用中の系列で、これら以上へ更新するのが基本だ。通常の更新対象外である8.1以前は、LTSベンダーの修正版を確認するか、対応系列へ移行する必要がある。7.4、8.0、8.1にはソースビルド向けの最小バックポートも用意された。8.6.0 RC4にも修正は入ったが、本番利用向けではないテスト版なので代替にはならない。
memory_limit=-1やsession.upload_progress.enabled=0は、確認済みの攻撃経路の一部を抑えるだけだ。CVE-2026-109619では前後のリクエストが同じワーカーへ届く条件があるものの、ワーカーを増やしたり再起動したりしても成功率を下げるにとどまり、欠陥そのものは残る。設定でしのげたように見えても、着地点はPHP本体の更新である。
参考資料
- OpenAI:Patch the Planetと脆弱性開示の調整
- PHP Project:2026年のリリース情報
- php/php-src:CVE-2026-109618のアドバイザリ
- php/php-src:CVE-2026-109619のアドバイザリ
- Wiz Research:PHP2Shellの調査報告


